感動をありがとう、なんて話が蔓延したら、マスコミにバカにされてると考えて間違いないと思う [ニュース読んでみて]
2018年8月28日のITmedia ビジネスオンライン、「マスコミの『感動をありがとう!』が、実はとってもヤバい理由」
という記事です。
内容を無理にまとめるとこんな感じ。
・24時間テレビ、甲子園の金足農業高校、行方不明の2歳児を発見した78歳の尾畠春夫さんの生き様等々、今年の夏は「感動の夏」といえるが、このトレンドはかなりヤバいと感じる
・「感動できれば全てよし」という話の流れになり、「退屈だけど重要な話」を考えなくなる
・事実、24時間テレビが放送され続けても日本での障碍者の待遇は良くなっていないし、甲子園が開催され続けても球児の待遇は改善されず、体を壊す球児が後を絶たない
・1932年に敵陣の鉄条網を爆破するため、点火した破壊筒を持って突撃・自爆した3人の陸軍兵士、「爆弾三勇士」事件の際も、マスコミが煽って日本中で「感動をありがとう」の大合唱が起こった。「感動至上主義」は、そのような狂気に走る可能性を秘めている。
ははー。
あの、記事はとても面白いと思いました。
日本のマスコミの嫌~なところをうまいことえぐってるなぁ、と。面白かった。
俺の方でも、この記事読んで、マスコミが感動を煽ることについて、思ったことを書いてみたいと思います。
あの、そもそもの話なんですけど。
「感動」にフォーカスした物語って、ものすごく幼稚だとおもうんですよ。
ハッキリ言っちゃえば、「感動をありがとう」なんつって感動、感動を押してくるなんてーのは、
我々のことをバカにしている、バカ扱いしている、と考えて間違いないかと。
感動にフォーカスした物語ってつまり、「童話」だと思うんです。
例えば、シンデレラの物語は、
意地悪な継母や義理の姉にいじめられていたシンデレラが、
魔法使いの力を借りて王子様に見初められ、
結婚して幸せに暮らしました、めでたしめでたし。
という物語ですよね。
ただ、裏をちょっと考えれば、
何か知らんけどシンデレラの方も相当どんくさいからいじめられてたんじゃねーの?とか、
なんで魔法使いはシンデレラばっかひいきすんの、顔か?結局顔なのか??とか、
結婚して幸せってねぇ、王子と結婚なんて幸せなだけじゃなくていろんなことあったと思うよ、シンデレラなんか城内の人間からしたら成り上がり者なわけだしさ、とか、
まぁ、ツッコミどころはいくらでもあるわけです。
でも、そーゆー余計な要素を全部排除して、かわいそうな女の子が王子様と結婚して幸せになりました、という感動物語でまとめられている。
ただ、シンデレラはそれでいい。それが許されるのは、童話だからです。
子どもがそれを見て感動する、あぁ、私もシンデレラみたいになりたい、と思う、それはいいんですよ。
ただ、大人になってシンデレラの物語に心から感動してたら、それは心がキレイというよりも、コイツちょっとアホなんじゃないの?という話じゃないですか。
で。
この記事で書かれているマスコミが提供してくる情報って、簡単に感動物語にしている、本当は裏にいろんな現実があるはずなのに「童話」にしてしまっている、感じがします。
重い障碍に悩まされているけど、
一生懸命努力して、
何かスバラシイことを成し遂げましたとさ、めでたしめでたし。
県外から強い選手を引き抜くことができない公立校だけど、
一人のスーパーエースをみんなで支え、
力を合わせて甲子園の決勝に行きましたとさ、めでたしめでたし。
・・・このストーリーで感動しちゃうのは、童話を読んで感動しちゃうのと何ら変わんないと思うんですけど、どうなんでしょう。
いや、まぁ、分かりますよ。
その、現実が複雑で、ややこしいから、たまにはシンプルな物語を頭空っぽにして見たい、みたいなことは。
俺もその、スーパーヒーローが悪人をバッタバッタとやっつける、みたいな映画とか見るの好きですしね。
ただ、童話・物語ならともかく、障碍者の人生も、高校球児の人生も、現実なわけです。
現実がね、そんな、童話のようにキレイごとだけで構成されてるわけないじゃないですか。
24時間テレビ見て感動した、甲子園見て感動した、それは別に構わないと思います。
ただ、たまには頭空っぽにして感動したくて感動した、というならともかく、
テレビでやっていることが全てで、それが丸ごと現実だと考えて、それを見てなんてスバラシイ!なんて言って感動しているのだとしたら、
その裏にある現実を想像することすらできないのだとしたら、
それは童話を読んで感動してるようなもんで、なんだかずいぶん幼稚なんじゃないの、なんてなことを思います。
また、そーゆー童話を提供しておけば、視聴者は勝手に感動して、視聴率はうなぎ登りだぜ!なんてマスコミが考えているんだとしたら、
それはずいぶん人をバカにした話だなぁ、と、思うわけです。
でも、24時間テレビも甲子園も、何ら改善されることなく毎年開催・放送されるってことは、
まぁ、現実を童話化している、かなり人をバカにしたマスコミと、
童話をまるまる現実だと思って見ている、だいぶ頭が幼稚な大人、
という関係は、少なくともマスコミの商売が成立するくらいには存在しているってことなんだろうなぁ。
感動にフォーカスした物語って、いろんな都合の悪いことを排除した「童話」に近いものだと思う。
たまには童話みたいなシンプルな物語で感動したい、というのは分からなくもないけど、
障碍者の人生や、高校球児の人生といった、
「現実」を「童話」にしてしまうのはいかがなものかと。
とはいえ、「現実」を「童話」としてとらえて感動しちゃう幼稚な大人って、
少なくともマスコミの商売が成立しちゃうくらいの数は存在してるんだなぁ。
「童話」を提供してりゃぁ商売になるだろう、なんてマスコミが考えてるとしたら、
それはずいぶん人を、国民をバカにした話だと思うんだけどな。
バカにされてるのに気づかないのかな?幼稚だからなぁ。
と、思った、という話です。
はーぁ、寝よ。
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